小椋 行夫
1. はじめに
マイクロオプティックスの代表であるGRIN (Gradient Index)レンズは1968 年に日本板硝子㈱ と日本電気㈱によって発明されSelfoc としてのち に製品化された。発明から11 年後の1979 年に米 国Rochester 大学で第1 回GRIN(Gradient Index) の国際会議が開催された。屈折率分布型のファイ バーを中心とした国際会議である。GRIN レンズ が結像素子として実用になったのはこの時期で、 GRIN レンズを並べて等倍結像素子としたSelfoc レンズアレイは等倍結像素子として複写機に搭載 された。この時代は半導体レーザーの発展に伴い、 エレクトロニクスとオプティックスが融合し集積 化、微細化が急速に進み出した時期である。 Microoptics(微小光学)という言葉は1969 年に 米国電気学会誌で初めて登場しているが一般的な 言葉として用いられるようになったのはGRIN 国 際会議の開催時期の頃からといえよう。微小光学 の基本となるのはμm からmm サイズのマイクロ レンズである。このレンズを用いて光の集積、結像、 接続、分岐など多くの技能を持った技術が微小光 学といえる。 一方シリコン基板上に光素子を集積する技術で あるシリコンフォトニクスもマイクロオプティッ クスとともに進化している。従来は化合物半導体 であるインジウムリンやガリウムヒ素などを材料 とした光素子であったが、シリコンとマイクロオ プティックスを用いることにより光素子の小型化、 集積化が可能となった。 CMOS 技術でLSI に光素子を集積できるので チップ間を光配線することでデータ転送の高速化が実現できる。
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