X線の特性とX線分析技術

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東京都市大学 江場 宏美

1.はじめに

アルファベット26 文字の中で“X”で始まる英単語は最も少なく、思い浮かぶものも限られるが、“X”からまず真っ先に連想されるのは“X 線”であろう。無線通信のフォネティックコード(音声での聞き間違いを防ぐため文字やアルファベットに割り当てた単語、たとえばA であれば「AlphaのA」などと言う)もX に当てられているのは“X-ray”である。そもそも未知数を表すX の記号が、1895 年にレントゲン(Wilhelm Conrad Röntgen)の見つけた新しい放射線にとりあえずつけられたという経緯は有名であるが、“透視像”が得られるというそのインパクトと医学、工学面での有用性により、レントゲンとX 線ということばは、謎めいたX 氏でありながら広く一般に認知されるようになった。しかしながらX 線には“透視”以外にもさまざまな分析上の用途があるということは、どの程度知られているだろうか。本稿ではX 線の性質を確認した上で、物質分析へのX 線の利用技術について概説する。

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年 代

技 術

1970年代

日米欧で研究開発が始まる。

1980

日本から光造形法の特許出願。

1986

米国で光造形法の特許成立。

1987

世界初の3Dプリンタ発売。

1988

米国で熱溶融積層法の特許成立。

2005

英国でRepRapプロジェクト発足。

2008

熱溶解積層法の特許が失効し、主にパーソナル用途にさまざまなメーカが参入。

2012

米国で3Dプリンタの研究機構(NAMII)設立。

2013

オバマ大統領が3Dプリンタによる米国の製造業回帰を一般教書演説。

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方 式

特 徴

光造形法

光硬化性樹脂を用い、レーザ光を集光して2次元走査し、樹脂を一層ずつ固化させる。大型の試作品の製造も可能。

熱溶解積層法

熱で溶かした樹脂を型に押し付けて成型する。熱可塑性樹脂を用いることができる。

粉末焼結法

高出力レーザ光を集光し、樹脂や金属などの粉末を部分的に固化させる。

粉末接着法

主に石膏粉からなる粉末をノズルから噴出する接着剤によって部分的に固化する。

面露光法

光造形法の一種である。一層のデータをプロジェクタによって一括照射して固化させる。

インクジェット法

光造形法の一種である。インクジェットノズルによって樹脂を塗布し、露光して固化させる。

 

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