非冷却赤外線イメージセンサと応用技術

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立命館大学 理工学部 木股 雅章

1.はじめに

いろいろな解説で、「最近注目を集めている」という形容はよく用いられる。確かに、記事になるのであるから、注目を集めていることに間違いはない。しかし、この表現は挨拶のような意味合いで使用されることも多く、これまでに筆者も赤外線センサの解説で何度もこの表現を使っているが、なかなか文字通りの注目を集めるには至っていなかったように思う。今、改めて「最近注目を集めている赤外線センサ」という形で始めたいと思っているが、今回はこれまでとかなり違っていて、「本当に注目を集めている」と表現していい状況にあると感じている。図1 に非冷却赤外線カメラマーケット調査の結果を示す1)。このグラフを見ると、今後の赤外線カメラ市場が注目に値することが理解できる。

ここで話題にする赤外線は、室温付近の温度を持った物体が放射していて、暗視と温度計測に利用できる8 〜14 μm の波長域の赤外線である。この波長域の赤外線を検出する非冷却赤外線イメージセンサでは、高感度化と多画素化が進んでいる。また、最近では低コスト化の新しい動きもみられ、これまで実現はまだまだ先の話だと思っていたスマートフォン向け赤外線カメラが今年から販売が開始されると報じられている2)

本解説では、対象とする赤外線と、これを検出するための非冷却赤外線イメージセンサおよび赤外線カメラの技術的な特徴を説明するとともに赤外線イメージングの応用を紹介する。

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年 代

技 術

1970年代

日米欧で研究開発が始まる。

1980

日本から光造形法の特許出願。

1986

米国で光造形法の特許成立。

1987

世界初の3Dプリンタ発売。

1988

米国で熱溶融積層法の特許成立。

2005

英国でRepRapプロジェクト発足。

2008

熱溶解積層法の特許が失効し、主にパーソナル用途にさまざまなメーカが参入。

2012

米国で3Dプリンタの研究機構(NAMII)設立。

2013

オバマ大統領が3Dプリンタによる米国の製造業回帰を一般教書演説。

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方 式

特 徴

光造形法

光硬化性樹脂を用い、レーザ光を集光して2次元走査し、樹脂を一層ずつ固化させる。大型の試作品の製造も可能。

熱溶解積層法

熱で溶かした樹脂を型に押し付けて成型する。熱可塑性樹脂を用いることができる。

粉末焼結法

高出力レーザ光を集光し、樹脂や金属などの粉末を部分的に固化させる。

粉末接着法

主に石膏粉からなる粉末をノズルから噴出する接着剤によって部分的に固化する。

面露光法

光造形法の一種である。一層のデータをプロジェクタによって一括照射して固化させる。

インクジェット法

光造形法の一種である。インクジェットノズルによって樹脂を塗布し、露光して固化させる。

 

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