京都大学大学院 医学研究科 室田 浩司
1. はじめに
産官学連携の歴史に関する著作を読むと、日本 では「大学等技術移転促進法」(1998 年8 月施行) 以降を、米国では「バイ・ドール法」(1980 年施行) 以降の歴史を中心に記述されたものがほとんどで あることがわかる。
筆者は、上記よりもさらに遡って日米の歴史を 比較することで、より有益な示唆を得られると期 待しつつ、これから日米の産官学連携の歴史を振 り返っていこうと思う。なお本稿では、米国の産 官学連携の歴史を、萌芽期(第二次世界大戦〜 1960 年代中頃)、低迷期(1960 年代後半〜1970 年 代)、本格期(1980 年〜現在)といった3 つの期 間に分類する。特に萌芽期については、これまで あまり語られることのなかった部分であることか ら、詳細に記述していきたい。
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